仲間が必要な人にしか友だちはできない~友だちリクエストの返事が来ない午後
スミレは友達が少ない。何人なら少ないか、それはよくわからないが、多分少ないほうだ。多いほうでは決してない。
いつも不思議なのだ。例えば何か、仕事や趣味で顔を合わせる人々がいる。スミレもそれなりに付き合っている。なのに、ある日気づく。スミレを除いて、皆が親しくスミレの知らない話をしていることに。
いつもこのパターンだ。なぜだ。
別にだからって意地悪されるわけでもない。今までと同じだ。ただ、ほかの人同士の距離が変わっただけのこと。なぜだ。
少し寂しい思いをする。だがまぁどうでもいいっちゃどうでもいい。気が合わなかったんだなと納得して終わる。
しかし、この頃の繋がり礼賛とか友達が宝とかそういうブーム、スミレも若干弱気になっていた。自分には、人的資本がない。
フェイスブックは死んでないよのお知らせのようにしかアップしないし、ほとんど読まずに気が向いたらいいね!しておく。
そういえば、一度知らない人と友達になってしまって、あとから偶然その名がもう亡くなっている人だということ、どうやらその夫が更新し続けているようであることがわかって、奇妙な気持がした。死んでないよのお知らせにもならない。
そこで、この本だ。
あぁ、すっきりする。
友だちなんていらないやい。
孤独に強いスミレは大人なのである。友だちは、たまにおしゃべりするのはいいが、基本面倒くさい存在である。
家族も同じだ。
スミレは本を読むことのできる孤独を愛している。
次の本いこう。