zumireの日記

本読んで考えたこと

ゴミかカスでも殺人者ではないだけマシ~津山三十人殺し七十六年目の真実

スミレはまた落ち込んでいる。自分のダメさ加減に。

私は社会のゴミかカスだ~という歌はスミレのためにある。

スミレは人に注目されることが苦手なのである。だから、言わなくてはいけないところでちゃんと声が出ない。うかうかしていて迷惑をかけてしまう。

世の皆様ごめんなさいである。

逃避逃避。

 

 面白くはなかった。

76年めにしてあっと驚く真相があるのかと期待したからか、どこが真実?感。

といっても、スミレはこの事件についてもともと詳しくない。

今まで信じられていたこの事件についての報告本に、捏造部分があるらしい。確かにそうなのだろうが、スミレにとってそれは大きな意味を持たなかった。いや、捏造はいかんけどね。

スミレがこの事件を知ったのは、山岸涼子のマンガである。

「負の暗示」、名作である。

このマンガも事件に忠実に描いているわけではなく、ある男が殺人者となっていく心の過程を解釈しているものだ。それは山岸涼子の解釈だ。だからあえて忠実ではなく描いているのかもしれない。

この著者は、長年この事件を研究しているのだろうか。生き残った人々にも話を聞き、アメリカまで資料を探し、きちんと取材している。なにせこの事件についての本は2冊目である。細かな真実を調べていくのには感心するが、それでもまだまだ謎が残っていると最後に列挙している。3冊目も出すかもしれない。

だがこの謎、死んだ犯人にしかわからない、もしかしたら犯人にもわからないというような謎でもある。

どうして、という事件の謎は、本人の言葉や行動や周りの断片やらを集めて集めて、結果たぶんこうなんだろうという解釈しか出ないのだな。

こうして解釈してもらえないくらいの、ゴミかカスの方が気は楽だな。

 

次の本いこう。