ゴミかカスでも殺人者ではないだけマシ~津山三十人殺し七十六年目の真実
スミレはまた落ち込んでいる。自分のダメさ加減に。
私は社会のゴミかカスだ~という歌はスミレのためにある。
スミレは人に注目されることが苦手なのである。だから、言わなくてはいけないところでちゃんと声が出ない。うかうかしていて迷惑をかけてしまう。
世の皆様ごめんなさいである。
逃避逃避。
津山三十人殺し 七十六年目の真実: 空前絶後の惨劇と抹殺された記録
- 作者: 石川清
- 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
- 発売日: 2014/02/25
- メディア: 単行本
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面白くはなかった。
76年めにしてあっと驚く真相があるのかと期待したからか、どこが真実?感。
といっても、スミレはこの事件についてもともと詳しくない。
今まで信じられていたこの事件についての報告本に、捏造部分があるらしい。確かにそうなのだろうが、スミレにとってそれは大きな意味を持たなかった。いや、捏造はいかんけどね。
スミレがこの事件を知ったのは、山岸涼子のマンガである。
「負の暗示」、名作である。
このマンガも事件に忠実に描いているわけではなく、ある男が殺人者となっていく心の過程を解釈しているものだ。それは山岸涼子の解釈だ。だからあえて忠実ではなく描いているのかもしれない。
この著者は、長年この事件を研究しているのだろうか。生き残った人々にも話を聞き、アメリカまで資料を探し、きちんと取材している。なにせこの事件についての本は2冊目である。細かな真実を調べていくのには感心するが、それでもまだまだ謎が残っていると最後に列挙している。3冊目も出すかもしれない。
だがこの謎、死んだ犯人にしかわからない、もしかしたら犯人にもわからないというような謎でもある。
どうして、という事件の謎は、本人の言葉や行動や周りの断片やらを集めて集めて、結果たぶんこうなんだろうという解釈しか出ないのだな。
こうして解釈してもらえないくらいの、ゴミかカスの方が気は楽だな。
次の本いこう。