もし自分なら母さんを調子にのせないよう反応しないな~今日も嫌がらせ弁当
スミレは料理するのは嫌いではない。自分が作ったものが美味しいと思う。
だが、弁当は別だ。
毎日弁当を作るのは苦痛だ。朝の時間がない中で、手早く美味しく見た目も栄養も考えてなんて、無理である。
キャラ弁なんてもちろん作る気全くない。
だから、こんなことする人は異世界の人だ。
キャラ弁とは言うけれど、これはほとんどがスライスチーズをキャンバスに、海苔で細かく絵や字を表現している。
おかずも装飾されてはいるが、ほとんど普通に美味しそうなちゃんとしたおかずだ。何かを形造っているのは、つまりキャラ弁と言える程なものは、チーズと海苔のアートな主張といった感じ。
だから普通に美味しそうで、それがいいなと思う。
弁当は愛情の印、とか言うけど、そうなんだろう。確かに愛だなと思う。
だが、その愛はこのお弁当を食べる人にのみ美味しいわけで、スミレが食べても胸焼けする愛なのである。
読んで面白いのも、その技巧と海苔で書いた主張であって、残念ながら娘への愛ではないのである。
弁当は限定された愛の形。
スミレには無関係な愛なので、こうして楽しんで読むことができる。
こうした偏った愛の形が、世界を面白くしているのだ。おたく愛と同じね。
次の本いこう。
過去も今も日本はいい国なのです~日本軍は本当に残虐だったのか
ちょ~面白い本に当たった!
日本軍は本当に「残虐」だったのか―反日プロパガンダとしての日本軍の蛮行
- 作者: 丸谷元人
- 出版社/メーカー: ハート出版
- 発売日: 2014/12/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ちょっと前にこの著者の本読んで、面白かったので過去のを取り寄せてみたのだ。
前読んだのはこれ↓
どちらも面白いが、日本軍の方は昔の、とかでなく今現在のプロパガンダとしての映画や出来事が解説されていて驚くことが沢山あった。
丸谷さんというこの方、通訳から仕事を始めているらしいが、本当に世界の動きをよく見て調べている。
「イスラム国」で丸谷さんに興味を持ったが、日本軍ではファンになってしまった。
今後丸谷さんの本は要チェックである。
内容的には「ファンになりました~」なんて暢気なものではないのだがね。
スミレも高校時代に、日本軍の残虐な行為の数々を授業で習い、「自分たちは人殺しの子孫か」とショックを受けたものだ。
他にも「日本ってこんなにダメだ」という情報をたくさん受けて、一時はかなり「日本」というだけで嫌いだった。
でも世界のいろんな情報を知る程、日本がまた好きになった。
日本軍のことについては、触れるのが嫌でどちらかというと避けてきたかもしれない。だから、この本できちんと説明してもらえて本当に良かった。これで世界にも反論しなくてはね。それも紳士的に。
丸谷さん、その方向まで示してくれてありがとう。
次の本いこう。
ゴミかカスでも殺人者ではないだけマシ~津山三十人殺し七十六年目の真実
スミレはまた落ち込んでいる。自分のダメさ加減に。
私は社会のゴミかカスだ~という歌はスミレのためにある。
スミレは人に注目されることが苦手なのである。だから、言わなくてはいけないところでちゃんと声が出ない。うかうかしていて迷惑をかけてしまう。
世の皆様ごめんなさいである。
逃避逃避。
津山三十人殺し 七十六年目の真実: 空前絶後の惨劇と抹殺された記録
- 作者: 石川清
- 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
- 発売日: 2014/02/25
- メディア: 単行本
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面白くはなかった。
76年めにしてあっと驚く真相があるのかと期待したからか、どこが真実?感。
といっても、スミレはこの事件についてもともと詳しくない。
今まで信じられていたこの事件についての報告本に、捏造部分があるらしい。確かにそうなのだろうが、スミレにとってそれは大きな意味を持たなかった。いや、捏造はいかんけどね。
スミレがこの事件を知ったのは、山岸涼子のマンガである。
「負の暗示」、名作である。
このマンガも事件に忠実に描いているわけではなく、ある男が殺人者となっていく心の過程を解釈しているものだ。それは山岸涼子の解釈だ。だからあえて忠実ではなく描いているのかもしれない。
この著者は、長年この事件を研究しているのだろうか。生き残った人々にも話を聞き、アメリカまで資料を探し、きちんと取材している。なにせこの事件についての本は2冊目である。細かな真実を調べていくのには感心するが、それでもまだまだ謎が残っていると最後に列挙している。3冊目も出すかもしれない。
だがこの謎、死んだ犯人にしかわからない、もしかしたら犯人にもわからないというような謎でもある。
どうして、という事件の謎は、本人の言葉や行動や周りの断片やらを集めて集めて、結果たぶんこうなんだろうという解釈しか出ないのだな。
こうして解釈してもらえないくらいの、ゴミかカスの方が気は楽だな。
次の本いこう。
オバサンは男不在の世界で生きるのを選ぶ~エイジハラスメント
胸糞悪い小説だ。
ムカムカするので、最後はすっきりするのかと昨晩一気に読んでしまった。
ドラマ化するとかで、この頃宣伝しており、つい手にした次第である。
まぁ、タイトルで内容はある程度想像がつくわけだが、特に取り柄を持たない主婦35歳が、年齢で屈辱感を味わい、初めは見かけにこだわるが、そのうち内容を磨く方向、この場合は看護師になる!決意をするという結末を迎えるというもの。
なんちゅーかね。
女ってつくづく損やね。こんなに頑張らなきゃいけないのかなと思うよ。
スミレだってその辺のオバサンだって、決して女降りてるつもりはないと思うが、若くないというだけで女否定されたような扱いを受けたことがない女はいない。これは断言できる。「エイジハラスメント」なんて言葉も使いたくないけど、これを感じたことがない女は、まだ実際若い女だけだ。
だが、女は女なのである。それは自分の一分だ。もうお前は女じゃないよというのは、人間じゃないよという扱いをされているのと同じなのだ。
しかし、そういう男どもには何を言っても通じないので、言う気もしない。
歳をとった女たちのほとんどは、結果男を相手にしなくなっていく。
だから見てごらん、美魔女とかなんとか言っているが、たいていの男はあんなの嫌いでしょ。そんなのわかってるんだよ、あれは男のためにしているんじゃない。自分がしたい格好をしているだけ。あなたのためではない。
そうやって、見切り付けないと、人間として生きていけないでしょ。
そうやって、馬鹿な男の視線から逃れ自由に生きる人間の雌を、「オバサン」というのである。
この本では、自分で打ち込むものを見つけようと、大学進学を目指すところで終わる。ほらね、馬鹿な男は放っておいて、自分を宥めて、人間扱いされる世界へ行くしかないのだ。
だが、スッキリはしない。馬鹿な男どもについてムカムカしたままだ。
これがドラマになるということは、まだまだ年を取った女が、女として生き苦しい社会だということなのだな。
しかし、こんな気分悪くなるドラマ、ウケるの?
次の本いこう。
仲間が必要な人にしか友だちはできない~友だちリクエストの返事が来ない午後
スミレは友達が少ない。何人なら少ないか、それはよくわからないが、多分少ないほうだ。多いほうでは決してない。
いつも不思議なのだ。例えば何か、仕事や趣味で顔を合わせる人々がいる。スミレもそれなりに付き合っている。なのに、ある日気づく。スミレを除いて、皆が親しくスミレの知らない話をしていることに。
いつもこのパターンだ。なぜだ。
別にだからって意地悪されるわけでもない。今までと同じだ。ただ、ほかの人同士の距離が変わっただけのこと。なぜだ。
少し寂しい思いをする。だがまぁどうでもいいっちゃどうでもいい。気が合わなかったんだなと納得して終わる。
しかし、この頃の繋がり礼賛とか友達が宝とかそういうブーム、スミレも若干弱気になっていた。自分には、人的資本がない。
フェイスブックは死んでないよのお知らせのようにしかアップしないし、ほとんど読まずに気が向いたらいいね!しておく。
そういえば、一度知らない人と友達になってしまって、あとから偶然その名がもう亡くなっている人だということ、どうやらその夫が更新し続けているようであることがわかって、奇妙な気持がした。死んでないよのお知らせにもならない。
そこで、この本だ。
あぁ、すっきりする。
友だちなんていらないやい。
孤独に強いスミレは大人なのである。友だちは、たまにおしゃべりするのはいいが、基本面倒くさい存在である。
家族も同じだ。
スミレは本を読むことのできる孤独を愛している。
次の本いこう。
日本史愛は感じるが、笑いは足りない~【至急】塩を止められて困っています【信玄】
歴史は面白いが、エピソードは印象深くても人物名や場所が覚えられない。年号なんて全くというほど覚えられない。
今日の本はタイトルが秀逸である。
【至急】塩を止められて困っています【信玄】 日本史パロディ 戦国?江戸時代編
- 作者: スエヒロ
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2015/04/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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期待したほど面白くはない。
が、よく作っている。
タイトルは、信玄がYahoo知恵袋に相談したらこんな感じ?ってことだ。
武将たちが、ラインやメールを使っていたら・・みたいな妄想を見事によく作って見せてくれるものである。クオリティは高い。
スミレが唯一ぷぷっと吹いたのは、一休さんと新右衛門さんと将軍様のラインで、とんちを褒められた一休さんが「あざーす」と返すところ。
もう少し笑わせて、スミレを戦国時代へトリップさせてほしかった。
次の本いこう。
裁判では「なぜ殺したか」はわからない~殺人者はいかに誕生したか
日記を書くのは久しぶりになってしまった。
スミレはショックで寝込んでいたのである。
何がショックかって、ここんとこ噂のUQwimaxなのだ。
なんであの時そんな気になったのか、今までのwimaxがなくなるとかいうメールが来て慌てたのである。
契約をした直後にブログを読んで、マジ?と目が点になった。
あぁあと思ってるうちにブツが送られてきたのだが、スミレは今忙しいことと、結果を見るのが恐ろしい小心のお蔭で、まだ開封していない。
スミレ、馬鹿? 馬鹿決定?
いつ開封するか、まだ未定。
というわけで、いつものように逃避旅行に出発だ!
殺人者はいかに誕生したか: 「十大凶悪事件」を獄中対話で読み解く (新潮文庫)
- 作者: 長谷川博一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/03/28
- メディア: 文庫
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2010年の単行本の文庫化。
これね、スミレ涙出た。
被害者が可哀想とかではなく、加害者の生い立ちの悲惨さにとかでなく、
この著者の、「こんな事件を二度と起こさないように」という、祈りの必死さに、泣けた。
この長谷川さんという方、なぜこんなことになってしまったのか、という真相解明のために真摯に努力してくれている。必死さが伝わってくる。
知らなかったこと、2点。
1.裁判は真相解明するのもではなく、量刑を決めるためのもの。
これは、知らなかったけど、スミレはこの方がいいように思う。
ただし、裁判と別に、弁護側でも検察側でもない立場で真相解明のシステムが必 要。でないと悲劇は繰り返される。
2.自分の息子をせっかんして殺した母親の事件、覚えていたが、こんな真相とは知らなかった。これでは真犯人が野放し状態ではないか、恐ろしい。
やはり、と思ったことは、
どの加害者も、深刻な暴力の被害者として育った、ということである。
子どもは、幸せを感じながら育たなければならない。
それが、人生を支えてくれる基盤になるのだから。
この10事件だけで、解答の一部は明確だ。
そして、長谷川氏の祈りが通じるよう、彼の行動を妨げるものがない事を祈る。
次の本いこう。