善良な銀行員もいるという夢を見たい 銀翼のイカロス
半沢直樹最新刊。
水戸黄門の様に安心して読める池井戸潤のシリーズ。これも面白い。
半沢は正義の男だが、本当のところ、こんな銀行員少ないだろうと思う。いないわけではないだろう・・と信じたいが。
必ず半沢を敵のごとく嫌がらせしてくる同僚や上司がいるわけだが、こちらの方がリアリティがある。
池井戸潤の初期の短編を読むと、銀行員はどいつもこいつもクソ野郎だなと思ったが、あれが真実に近く思える。
また半沢の勤める銀行は、2行が合併したもので、何年たっても旧行を引きずっているが、これも実際そうだろうと思う。
スミレは、合併から10年も経った銀行の対応で、どちらの銀行の案件か聞かれ驚いたことがあるからだ。もうない銀行の名前を言わせられるとは、思ってもみなかった。あの行内では当たり前かもしれないが、客からすれば唖然である。
半沢直樹でも、敵はまず身内にいる。疲れるが、よくあることで、共感を呼ぶ。
小説では、ドラマの様に嘘っぽく面倒な妻が出てこないところがいい。
黒崎のイメージは、すっかり片岡愛之助で、これには異存ない。
次の本いこう。