いつまで特別の国でいられるか心配だけど 日本語の科学が世界を変える
日本人ってこんなに素晴らしい!!!すごい!!!っていうのが、今すごく多いよね。
これは、やっぱり気持ちを盛り上げよう、誇りを持とう、ということなんだろうか。
そういってなんとかプライドを守って、いい気になっちゃいけないよ・・と思いつつも、スミレも日本は世界でも特別だ、という意見なのである。
ガラパゴスと言われるのはいい意味でない事が多い。世界全体の標準仕様からかけはなれた状態をいう。因みにスミレはいまだガラケーである。
しかし、ガラパゴスとは、他に類がないという意味なのだから、価値はある。
この本のタイトルを見た時、日本的な思考のことかと思ったが、それだけでなく、科学を日本語にきちんと置き換えているところが他国と大きく違うらしい。
?と思うでしょ。そう、例えば『科学』とか『細胞』とか、完全に日本語でしょう。しかし外国語を『母国語としてイメージできる言葉』まで完全翻訳できている国などほぼないらしい。母国語として科学を探求できる、そうすると深く思考できる、更に日本特有の文化的思考を絡ませて、他国にない考えや発見に結びつくのだとか。
中道がない欧米の思考法では、中間子という概念は出なかっただろうとか、宗教的縛りのない日本人だからヒトips細胞をつくれたとか、実に面白い。
著者は科学ジャーナリストで、長年科学界の人や研究に携わっており、ネタをたくさん持っている感。全くの素人にはやや難しい話もあるが、いい本だ。
日本は特別な国だ。スミレは否定しない。
でも、ケータイはガラパゴスじゃなくてもいいかな・・普通でいいかな。
次の本いこう。